独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)が開発した女性型の人間型(ヒューマノイド)ロボット。従来の2足歩行を原則とする四肢を備えた人間型ロボットより、さらに人間に近いロボットという意味で、産総研ではサイバネティックヒューマンと呼んでいる。HRP-4Cは、人間協調・共存型ロボット研究開発プロジェクトにおけるプロトタイプの一つ。身体(ボディー)の特徴として、現実感のある外観と形体を実現するために、現代日本人の若い女性の平均値を参考に関節位置や寸法を求めて、身長は158cm、体重は43kgに設定されている。ロボットが運動できる方向の数を表す自由度は、腰に3自由度、首に3自由度、顔に8自由度が与えられていることから、人間に近い動作や、歩行が可能である。さらに音声認識機能によって人間とインタラクション(交流)をはかることもできるので、ファッションショーなどエンターテインメント分野への応用も期待されている。これまで四肢を備えて、なおかつ動作をする人間型ロボットには、まだ外見に機械としての要素が残されていた。しかし今後のロボットの開発は、特定の個人にそっくりなロボットであるジェミノイドや、人間とほとんど変わらないロボットであるアンドロイドを視野に入れた段階に向かい始めたともいえる。