国籍、性別等を問わず、科学技術の分野で独創的で飛躍的な成果を挙げ、その進歩に大きく寄与し、それにより人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められた生存者に贈られる、日本の代表的な国際賞。賞の創設は、鈴木善幸内閣当時、「戦後日本の復興は国内外の科学技術に負うところが大きく、その国際社会への恩返しの意味でノーベル賞並みの世界的な賞」(中山太郎総理府総務長官)をとの構想に、現パナソニックの創業者松下幸之助氏による私財提供が基盤となり、1982年に国際科学技術財団が正式に発足し、1985年より顕彰が始まった。毎年、科学技術の全分野のなかから指定された2つの分野が賞の対象となり、発表は例年1月、授賞式典は4月に行われ、受賞者には賞状と賞牌及び賞金5000万円がそれぞれ贈られる。2010年の第26回日本国際賞は1月15日に、東北工業大学理事長の岩崎俊一博士と、アメリカのスタンフォード大学のピーター・ヴィトーセク博士に贈ると発表された。岩崎博士は、垂直磁気記録方式と呼ばれる情報データの高密度記録が可能な仕組みを発明してハードディスクの記憶容量を飛躍的に高めた業績が、一方のピーター・ヴィトーセク博士は、窒素やリンなどの栄養素の循環が地球上の生態系で果たす役割を解明した業績が、それぞれ評価された。