ドイツ政府が全額出資する国際的学術活動の支援機関アレキサンダー・フォン・フンボルト財団が、ドイツ国外の優れた研究者に授与する賞。人文学、社会学、理学、工学、医学、農学の各分野において、後世に残る重要な業績を挙げ、今後も活躍が期待される研究者を対象とする。毎年最大100人まで選ばれ、賞金およびドイツ滞在費用として6万ユーロ(約660万円)が支給される。候補者の選考は、ドイツ国内の有識者や過去の受賞者の推薦による。アレキサンダー・フォン・フンボルトは19世紀の博物学者、探検家、地理学者。その名を冠した財団の起源は1860年にさかのぼり、1953年に現在の形の財団が発足、72年にフンボルト賞を創設した。これまでのフンボルト賞受賞者から48人のノーベル賞受賞者が生まれており、「ドイツのノーベル賞」とも称されている。2002年にノーベル賞を受けた物理学者の小柴昌俊東京大学特別栄誉教授も、1997年にフンボルト賞を受賞している。2012年度は、日本から檜山為次郎中央大学研究開発機構教授(有機化学)、片岡一則東京大学大学院教授(マテリアル工学)、谷村吉隆京都大学教授(化学物理理論)らが選ばれた。