電気のスポット取引や先渡し取引を仲介する日本卸電力取引所(JEPX)が開設し、2012年6月18日から取引が始まった卸電力市場。同年5月に決定された政府の「今夏の電力需給対策」に盛り込まれた供給サイドの取り組みの一環として実現した。現在の卸電力市場では売り手になれない出力1000キロワット未満の小規模電力や売電量が一定でない電力が対象で、工場などの自家用発電やコージェネレーション(熱電併給)発電といった分散型電源の余剰発電分や、太陽光発電や風力発電などの固定価格買取制度対象の電源、グリーン電力の電源の参入を想定している。取引には、送電線に送電できる発電設備があれば原則として誰でも参加ができる。発電する側が売電量や売電期間、希望価格などの条件を自由に決めて取引所に伝え、JEPX会員企業の電力会社や特定規模電気事業者(PPS 新電力)ら54社が応札して、最も好条件を示した買い手が落札する仕組みを採用する。当面は、売買手数料や売電側の取引所入会金は無料として、多くの売り手の参加を促す。18日の初日は売電希望者がなく、取引は成立しなかった。