キク科アキノキリンソウ属の多年草でセイタカアキノキリンソウとも呼ばれる。北米を原産とする帰化植物で、ヨーロッパ、アジアにも分布。アキノキリンソウ属は、穂状に密集して咲く黄色い花が泡立つように見えるため、アワダチソウ(泡立草)の別名があるが、特にこの種類は、成長すると高さ1~3メートルほどにもなることからこの名で呼ばれる。日本には、1900年頃に観賞用、あるいは蜜を採るために持ち込まれたといわれるが、急速に広がったのは第二次世界大戦後の45年以降とされる。種子を風に乗せて飛ばし、地下茎でも増える旺盛な繁殖力を持ち、主に河川敷や休耕地などに生育するが、荒地や湿地にも順応。根や地下茎からアレロパシー物質と呼ばれる化学物質を分泌し、他の植物の種子発芽や成長を阻害するため、大群生になることが多い。特に河川敷などでは、絶滅危惧種のフジバカマをはじめ、オギ、ススキなどの在来種を駆逐することから、外来生物法により、要注意外来生物に指定されている。一時花粉症の元凶と目されたが、虫媒花で被害は多くないと見られる。東京電力福島第一原発事故による放射能汚染のため、立ち入りが制限されている福島県内の休耕田等で、2012年夏以降多数の大群生が確認され、耕作地の復旧や生態系の維持等に大きな懸念が生じている。