医学研究において顕著な功績を残した科学者に与えられるアメリカで最も権威のある賞。アメリカのラスカー財団(アルバート&メアリー・ラスカー財団)によって、1945年から顕彰が始まり、基礎医学部門と臨床医学部門とがある。ラスカー賞は、ノーベル賞に最も近い賞といわれ、受賞者のうち、実に75人が後にノーベル賞を受賞している。日本人では花房秀三郎・大阪バイオサイエンス研究所長(82年)、後にノーベル医学・生理学賞を受賞した利根川進・マサチューセッツ工科大学教授(アメリカ 87年)ら4人が、いずれも基礎医学部門で受賞している。2008年9月にラスカー財団は臨床医学部門で、血液中のコレステロールを下げる特効薬のもととなるスタチンを発見し、心臓病の予防と治療に画期的な効果をもたらした遠藤章・東京農工大学名誉教授に授与すると発表した。同賞の臨床医学部門における受賞は、日本人では初めて。