白亜紀(1億4550万年前~6500万年前)後期に栄え、白亜紀の終わりに絶滅した大型海生爬虫類。ヘビやトカゲに近く、水中生活のためにひれ状の四肢をもっている。鋭い歯が特徴で肉食と考えられており、アンモナイトや魚類などを捕食していたとされる。モササウルス類の体長は小型で3メートル、大型では10メートルを超えるものも存在した。「海の王者」と称せられ、日本では滄竜(そうりゅう)とよばれる。化石はヨーロッパやアメリカなど各地で発見され、日本でも約40の発掘例がある。2011年10月18日、和歌山県立自然博物館は、10年12月~11年3月にかけて和歌山県有田川町鳥屋城山で実施した2次調査で、推定で全長8メートルを超えるモササウルスのほぼ完全な前足や下あご、肋骨、脊椎など計70点の化石が見つかったと発表した。06年に、すでに同じ場所から後ろ足などの部位が見つかっており、日本ではモササウルスの多数の部位がそろって発見された例はないこと、また、同一個体の前足と後ろ足がそろうのは世界的にも珍しいことから、貴重な標本として注目を集めている。