おもに相模湾以南の太平洋熱帯域の水深200~600メートルの深海にすむユウレイイカ科のイカ。生きている姿をほとんど見ることができないため、幻の深海イカとも言われる。学名はchiroteuthis imperator。外とう長(胴体の長さ)25~30センチ、足を含む全長は約60センチ。薄いピンク色に光るのが特徴で、寒天質のやわらかい体を海中にゆらゆらと漂わせ、浮遊して生活している姿が幽霊のように見えることから、この名がついた。目の周りや腕から強い光を放つことが知られているが、くわしい生態はほとんどわかっていない。2012年11月15日と16日に、江の島沖の定置網に迷い込んだものと、熱海市近海で捕獲されたものとの2体が、生きた状態で新江ノ島水族館に運び込まれた。同館ではとても貴重なものとして生体を飼育・展示したが、いずれも数日で死んでしまった。