食肉目クマ科に属する中国固有の大型哺乳類。学名はAiluropoda melanoleuca。中国名は大熊猫(ターシェンマオ)。体長120~150センチ、体重85~150キロ。四川省、甘粛省など中国南西部の高地の竹林に生息。特徴的な白黒の体毛については、雪山で保護色になる、黒毛が体温保護に役立つなど諸説ある。目のまわり、耳、前肢から肩にかけてと後肢が黒色で、尾を含めほかの部分は白色。主食はタケの葉や幹、タケノコで、まれに昆虫やネズミなども捕食する。タケをつかみやすいよう、前肢の親指の外側に指のような突起がある。この「6本目の指」はほかのクマ科には見られない。幼獣期に母親と過ごす以外、基本的に単独行動をとるが、生態については謎が多い。野生での寿命は15~20年ほどといわれている。1869年、フランス人宣教師がヨーロッパに毛皮を送ったことがきっかけとなり世界的に知られるようになった。1970年代中ごろに起こったタケの一斉枯死や毛皮目的の乱獲、生息環境の破壊などにより、90年代には1000頭近くにまで激減。現在、野生での個体数はわずか1600頭あまりと推定されており(飼育下では300頭超)、IUCN(国際自然保護連合)によってレッドリストの絶滅危惧種に指定されている。日本へパンダが初めてやってきたのは72年。日中国交回復を記念し、カンカンとランランの2頭が、中国から東京の上野動物園に贈られて以来、同園では計9頭を飼育してきた。2008年にリンリンが死んで以来、約3年間パンダ不在であったが、11年2月21日深夜、中国から貸与されるパンダのつがいが同園に到着した。オスは中国名で「比力(ビーリー)」、メスは「仙女(シィエンニュ)」。一般公開は3月下旬の予定。現在、日本国内で飼育されているのは上野動物園のほか、和歌山県のアドベンチャーワールドと神戸市立王子動物園。