天然ガスの主成分であるメタンの酸化、燃焼で生成される化学物質。分子式はHCHO。別名メチルアルデヒド(methyl aldehyde)、メタナール(methanal)ともいう。常温では無色の気体で、強い刺激臭をもち、引火性がある。水にも溶けやすく、ホルムアルデヒドの35~38%水溶液をホルマリンといい、合成樹脂や接着剤の原料、防腐剤、消毒薬などに使われる。自然環境中では有機物の不完全燃焼、排気ガスなどに含まれる炭化水素の化学反応によっても発生し、光化学スモッグ(光化学オキシダント)の成分の一つとなる。住宅建材や接着剤に含まれるものは、シックハウス症候群と呼ばれる化学物質過敏症を引き起こす。毒性は強く、触れると目や鼻の粘膜を刺激して障害が出たり、アレルギー性皮膚炎、消化器の炎症などの症状が出る。また、発がん性も指摘されている。2012年5月、利根川水系の浄水場で、水道の水質基準(1リットルあたり0.08ミリグラム)を上回るホルムアルデヒドが検出された。上流で廃棄された工業用化学物質のヘキサメチレンテトラミン(hexamethylenetetramine)が、消毒剤の塩素と反応して発生したもの、と考えられている。