宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが毎年開催する、小中学生向けの科学イベント『「宇宙の日」ふれあいフェスティバル』の2008年の回で、近年発見された小惑星に付けられた名前。「宇宙の日」は、国際宇宙年の1992年をきっかけに、旧・科学技術庁などが「日本で、それにふさわしい日」を公募した末、毛利衛飛行士が日本人として初めて宇宙へ飛び立った9月12日にちなんで決められた。同イベントは、前身となる「宇宙ふれあい塾」が2002年から名称を変更したもので、宇宙に関する話題の紹介や体験コーナー、宇宙飛行士を招いてのトークショーなどのプログラムをそろえて、毎回地域を変えて開催されている。その目玉の一つとして01年から始まったプログラムの一つに、日本で発見された小惑星に名前を付ける企画があり、08年9月に徳島県の阿南市科学センターで開催された際の、若田光一飛行士を招いたトークショーの中で、公募による候補の中から、同県名産のスダチを由来とした「Sudachi」が選ばれた。今回名付けられた小惑星は、火星と木星の間にあり、約5年の公転周期をもつ直径5kmほどのもので、数々の実績をもつ北海道のアマチュア天文家・渡辺和郎(わたなべかずお)氏らにより1996年に発見され、「1996 BX」の仮称とともに小惑星番号「12435」として登録されていた。ところが、申請後、国際天文学連合(IAU)から「一般的な果物の名は不適」と、却下されてしまう。この裁定に対し、同氏からの相談を受けたJAXAは、子ども向けのイベントの意義を説き、一方で2001年の大阪での回で選ばれた「Takoyaki(タコヤキ)」が認定された件を引き合いに抗議。結果、申請から半年を経て、09年4月、「12435 Sudachi」の名で認定された。