高性能コンピューターの分野での優れた業績に対して贈られる賞。スーパーコンピューター分野のノーベル賞ともいわれ、1987年に高性能な並列計算コンピューター分野の先駆者、ゴードン・ベルにより創設された。おもに、スーパーコンピューターのハードとソフトの技術開発を競うねらいがあり、最高性能賞はその年に最も優れた性能を記録したチームや人に贈られる。これ以外にも、安価に高速計算を実現した業績に贈られる価格性能賞、革新的な技術などに贈られる特別賞が設けられる年もある。賞はACM(the Association for Computing Machinery)がアメリカ電気電子学会(IEEE)とともに運営し、毎年、SCカンファレンス(US Supercomputing Conference)で発表される。日本も、これまでさまざまな研究グループが受賞しており、近年では2002年、03年、04年に地球シュミレータを使用した研究成果で、最高性能賞を連続受賞している。09年には、長崎大学浜田剛助教のグループが、市販の画像処理装置を利用して「国内最速」となる高速計算を安価に実現したことを理由に、ゴードン・ベル賞では8年ぶりとなる価格性能賞を受賞した。