光や熱、振動、電波など、環境中に存在するエネルギーを電力に変換する技術のことで、環境発電とも呼ばれる。ハーベスティングは収穫の意。該当するエネルギーとして最も一般的なのは太陽光、太陽熱、風力、水力などの自然エネルギーだが、現在では橋や建物、機械の振動、テレビや無線の電波、自動車の排熱、室内の照明光など、身の回りにある小さなエネルギーの活用を指すことが多い。たとえば、通行人の歩く振動を電力に変換するシステム(振動力発電)は、すでにオフィスビルなどの公共スペースで導入が始まっている。得られる電力は微弱でも、充電や取り換え、燃料補給、電源配線が不要な自立電源として大きな利点をもつ。電圧変換や電源管理など周辺技術の進歩とともに、エネルギー・ハーベスティングの適用領域は今後も拡大していくとみられる。