再生可能エネルギーのうち、海域で利用可能なものをいう。海上で吹く風を利用して発電する洋上風力発電をはじめ、波の力を利用する波力発電、海峡で発生する潮流や海流を利用する海流・潮流発電、潮の満ち引きを利用する潮汐発電、深層水と表層水の温度差を利用する海洋温度差発電などがある。東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、エネルギー政策の見直しが求められているなかで、海洋発電への関心が高まっているが、日本は欧米に比べ技術開発の遅れが指摘されている。そこで、政府は2012年5月25日に総合海洋政策本部(本部長・野田佳彦首相)の会合を開き、「海洋再生可能エネルギー利用促進に関する今後の取組方針」を決定。海洋再生可能エネルギーを利用した発電技術を早期に実用化し、エネルギー供給元の一つとして活用していける環境を整備することを重要課題として掲げ、今後、実証実験のための海域を提供する「実証フィールド」を地方自治体から公募し、13年度中に選定を行うことなどを決めた。