骨の振動を利用して音声を伝えるイヤホン。通常のイヤホンと同様に先端部分を耳の穴に入れて使用する。従来のイヤホンは、空気の振動により鼓膜を震わせ、うずまき状の蝸牛(かぎゅう)とよばれる聴覚器官へ音声を伝達させる。一方、骨伝導イヤホンは、骨を振動させることにより蝸牛へ音声を伝える仕組み。空気を振動させず、鼓膜も通さないため、音声漏れがなく、長時間の利用でも耳への負担が少ないなどの特長がある。骨伝導機器の開発をおこなうゴールデンダンス(本社・大阪府大阪市)は、2009年7月に一般向け骨伝導イヤホン「SOUND BONE(サウンドボーン)」(税込4980円)を発売した。また、NHKと共同開発した「骨伝導キャスターイヤホン」を、11年2月6~8日に開催されたNHK「第40回番組技術展」に出展。片耳型で、イヤホンの先端部分の直径が、男性用1.2センチ、女性用1センチと小型化を実現しており、装着してもあまり目立たない。また、従来のイヤホンよりも明瞭な音声を伝えることができるため、収録スタジオだけでなく、騒音環境下での中継リポートなどへの活用が見込まれている。