宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2013年度に打ち上げを予定している、H-2Aロケットに相乗りする七つの小型副衛星のうちの一つに決定した、芸術作品制作用の世界初の「芸術衛星」。多摩美術大学の久保田晃弘教授をプロジェクトリーダーに、多摩美術大学と東京大学が共同で取り組むARTSAT PROJECTとして、10年に開発が始まった。衛星は10センチ四方、重量約1キロの超小型人工衛星で、衛星本体の開発を東大が、衛星デザインや電波受信アンテナ、地上局などを多摩美大が担当する。このプロジェクトでは、地球を周回する衛星を「宇宙と地上を結ぶメディア」として捉え、衛星から送られてくるデータなどをもとに、音楽や楽器、家具やゲームなどを制作し、「宇宙の気配」を日常生活に取り入れていくことを目指していく。衛星の各種センサーから得られたデータを合成して作曲する「衛星音楽」や、自作のアンテナで受信した衛星からの電波の受信音をもとに音を生み出す「衛星楽器」、衛星データの家具デザインへの適用などが計画されている。プロジェクトの進行状況などに関しては、ウェブページ(http://artsat.jp/)で報告される。