2007年9月13日に発表された、民間資本による無人月面探査を競う総額3000万ドルの国際的な賞金レース。インターネット検索大手グーグルがスポンサーとなり、さまざまなコンテストを通して科学技術の向上に貢献することを目的とするアメリカの民間財団Xプライズ財団(エックスプライズ財団)が主催、運営する。レースは、15年12月31日までに民間で開発した無人探査機を月に着陸させ、さらに着陸地点から500メートル以上走行させた上で、指定された高解像度の動画や静止画のデータを地球に送信することを競う。最初にミッションを達成したチームに優勝賞金2000万ドルが、準優勝チームには500万ドルが、また、5000メートル以上の長距離を移動したり、アポロ着陸船など月面に残された人工物を撮影するなどをした場合に特別賞500万ドルが贈られる。参加チームの登録は10年末で締め切られ、18カ国28チームがエントリーした。日本からは、オランダを本拠とする「ホワイトレーベルスペース(WLS)」の共同チームの一員として「ホワイトレーベルスペース・ジャパン(WLSJ)」が唯一参加している。WLSJは11年8月29日に、小惑星探査機はやぶさの開発にも携わった吉田和哉東北大学教授が担当した月面探査ローバー(月面探査車、月面探査ロボット)の試作品を公開し、注目を集めた。