ノネコは、ペットとして飼われていたネコが放棄されるなどして野生化したネコのこと。野猫と表記されることもある。鳥獣保護法(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律)ではノネコは野生動物と定義され、狩猟対象の狩猟鳥獣に含まれる。似た呼び名のノラネコ(野良猫)は、鳥獣保護法ではペットのネコと同様、野生動物に含まれないため、狩猟対象にはならない。一方、動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)では、ネコは愛護動物とされ、ノネコやノラネコといった区別はされていない。したがって、ノラネコを殺したり傷つけたりした場合は、罰則が科せられる。このように、ノネコとノラネコは厳密な区別があるわけではなく、野生かどうか、人間社会に依存しているかどうかという判断基準も線引きが難しい。また、ネコとノネコ、ノラネコに遺伝的な区別はなく、元はネズミ防除のために飼われはじめた野生のリビアヤマネコだとされている。動物学の分類では、和名はイエネコ(またはネコ)、学名はfelis catusといい、在来種に影響を与える外来種(移入種)に分類される。ノネコは、日本の希少動物を捕食したり、感染症の媒介になるなど、特に島しょ地域で大きな問題になっている。鹿児島県・奄美大島の奄美市を含む5市町村は、国の天然記念物のアマミノクロウサギやトゲネズミなどをノネコから守るため、飼い猫の登録を義務付ける条例を制定した。2011年10月から施行する。