東芝が2012年11月21日に公開した、東京電力福島第一原子力発電所(福島第一原発)向けに開発した作業用ロボット。その名の通り、4足歩行で階段やがれきの散乱する場所を進み、原子炉付近など、放射線量が高くて人が近づけない場所での調査や作業を行う。4足歩行を採用した理由について、すでに福島第一原発に投入されているキャタピラー型や車輪型の作業ロボットが、急勾配や階段の昇降、障害物回避などで困難をともなう場合があったため、としている。不整地や段差での歩行を制御する独自開発のアルゴリズムや多関節構造の採用によって、斜めの移動、22センチある段差の昇降などをこなせる。操縦は無線によるリモコン式で、搭載したカメラを見ながら操作する。無線が弱くなった場合には、自動的に無線がつながる場所まで戻る機能を備える。本体のサイズは長さ62.4センチ、幅58.7センチ、高さ106.6センチで、重量は65キロ。バッテリーを電源とし、連続歩行時間は2時間、障害物がない場所での歩行速度は時速1キロ。作業用アームや線量計を搭載し、20キロの積載物を運搬できる。また、4足歩行ロボットに搭載する「小型走行車」(second camera)も同時に公開された。車輪で動き、搭載した高解像度カメラで、狭い通路の先や構造物の陰にある設備や配管などの状態を撮影する。4足歩行ロボットから有線で接続される。小型走行車のサイズは、長さ31.3センチ、幅32.7センチ、高さ4.7センチで、重量は2キロ。バッテリーを電源に、1時間駆動する。走行速度は時速200メートル。