東京大学理学系研究科天文教育研究センターが、チリ共和国のアタカマ砂漠近くのチャナントール山頂に建設の、赤外線望遠鏡を設置した天文台。天体望遠鏡には光学望遠鏡、電波望遠鏡、X線望遠鏡、赤外線望遠鏡の4種類があり、赤外線望遠鏡は天体からくる赤外線を観測するための望遠鏡。赤外線は大気中の水蒸気などに吸収されてしまい、地上には一部分しか届かないが、東京大学アタカマ天文台は標高5640メートルという高地に位置しており、気圧や湿度が低く晴天率も高いので、赤外線の観測に適している。また、北半球では見られない天体の観測も可能。2010年7月7日に開所し、これを記念してチリ国営郵便局が発行する記念切手も発売された。現在は、口径1メートルの反射望遠鏡を設置して観測が進められているが、16年には口径6.5メートルの大型望遠鏡の建設も予定されている。11年5月、東京大学アタカマ天文台が世界でもっとも標高の高い場所にある天文台としてギネス世界記録に認定された。