青森県下北郡東通村にある原子力発電所。約808万平方メートルの敷地内に、東北電力と東京電力がそれぞれ2基ずつ、計4基を建設する計画で、2005年12月に東北電力の1号機が営業運転を開始した。同機は沸騰水型軽水炉(BWR)で、電気出力は110万キロワット。11年2月の定期検査入り以降、運転を停止している。東北電力の2号機、ならびに東京電力の1、2号機は、すべて改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の計画で、電気出力は138万5000キロワットを予定。このうち、東京電力1号機は11年1月に着工したものの、同年3月の福島第一原子力発電所事故を受けて、工事を見合わせている。12年12月、国の原子力規制委員会の専門家会合は、東通原発の敷地内にある複数の破砕帯(地震などにともないできた地中の割れ目)について、活断層である可能性が高いとの判断を示した。指摘されている断層は原子炉など重要施設の直下ではないため、国の原発耐震指針(耐震設計審査指針)には抵触しない。しかし、施設の耐震性の抜本的見直しが必要となることから、東北電力1号機の運転停止は長期化すると見込まれる。