サンゴの表面を、壊死(えし)した部分が白い帯のように広がっていく、原因不明の病気。直径2mほどのテーブル状サンゴを、わずか1年で死滅させる。今世紀に入ってから、日本やオーストラリア、カリブ海など、世界各地のサンゴ礁で急速に広がりを見せ、2006年度の環境省調査では、沖縄県の石垣島と西表島の間にある、日本最大のサンゴ礁「石西礁湖(せきせいしょうこ)」の、123地点のうち113地点で確認された。サンゴがこの病気にかかったとき、健康な組織が、病気の部分に栄養を送らないよう「必死の抵抗」をしている、という研究結果が報告されている。温暖化による海水温上昇に起因して、サンゴ虫に養分を供給する植物プランクトン(褐虫藻)が逃げ出した結果、発生する「白化現象」の場合は、水温が下がれば回復することもあるが、ホワイトシンドロームでは、回復の望みはない。