東京電力福島第一原子力発電所事故で生じた放射性物質による土壌汚染の度合いを示した地図。放射線量等分布マップの一つ。文部科学省が2011年8月29日に公表。同省のホームページで見ることができる(http://radioactivity.mext.go.jp/ja/distribution_map_around_FukushimaNPP/)。全国の大学などが、同原発から約100キロ圏内にある約2200カ所で、6~7月に採取した土壌に含まれるセシウム134とセシウム137の濃度を分析した。同原発のある福島県大熊町では、半減期30年のセシウム137の濃度が、1平方メートルあたり1545万ベクレルに達し、同原発から北西方向に高濃度な地点が集中していた。また、土壌における放射性セシウムの濃度分布は、各地点の空間線量や、航空機モニタリングの結果と同様の傾向であることも分かった。測定結果は、除染作業の参考や、避難区域見直しの基礎データとなることが期待されている。文部科学省は、今後他の放射性物質の土壌濃度マップも公表する予定だが、放射性ヨウ素などは、放射性セシウムに比べ濃度が低いため、測定結果の妥当性などを確かめる必要がある。