福島県いわき市にある長さ約17キロの断層。東京電力福島第一原子力発電所から南西へ約50キロ離れた地点にある。従来、東京電力による調査では、活断層ではないと判断されており、国の原発耐震指針で定められている後期更新世(約12万~13万年前)以降の活動が見られないとして、原発の耐震設計上も考慮されていなかった。しかし、2011年4月11日に湯ノ岳断層付近で発生したマグニチュード7.0の地震により、同断層が地表に出現。東日本大震災後、原子力安全・保安院が2回にわたり指示した調査のなかで、東京電力は、湯ノ岳断層を耐震設計上考慮すべき断層として、見解を修正した。また、活発化の原因とメカニズムを解明するため、9月29日から12月上旬にかけて地盤調査を実施。11月21日、東京電力は、湯ノ岳断層が過去に活動していたことを示す痕跡があり、活断層であることがわかったとする調査結果速報を発表した。