アメリカの科学誌「サイエンス」が、2003年から毎年年末に発表しているその年の10大ニュースの中で、最も重要とする研究結果。12年は、ヨーロッパ合同原子核研究機関(CERN)が発見した、ヒッグス粒子とみられる新粒子が選ばれた。東京大学や筑波大学など日本の16研究機関も参加している国際チーム「ATLAS」と、欧米を中心とした「CMS」チームが、CERNにある大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使い行った実験での成果。同年7月の発表ではヒッグス粒子である確率は99.9999%とされる。10大ニュースには、京都大学が行ったマウスの多能性幹細胞(ES細胞、iPS細胞)からの卵子作製も選ばれた。同大では、この卵子を体外受精させたマウスの子どもの誕生にも成功している。ほかに選ばれたのは、アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「キュリオシティー」を無事に着陸させた空中クレーン技術の開発や、シベリアのデニソワ洞穴で発見された古代人類のゲノム解読など。