20代前半くらいまでの若者によく聞き取れるとされる高周波音で、キーンという蚊(モスキート)の羽音のような甲高い不快音。加齢に伴い高い周波数の音が聞き取りにくくなるという人間の聴覚を利用し、若者だけに聞こえる17KHz以上のモスキート音を流すことで、深夜に公園や店先などにたむろする若者を追いはらう目的でも用いられている。この高周波雑音発生装置「モスキート」は2005年にイギリスのCompound Security Systems社から発売され、開発者であるイギリスのハワード・ステープルトンは06年に、ユーモアあふれる研究をたたえるイグ・ノーベル賞の平和賞を受賞した。この技術はのちに逆手にとられ、学校でも教師に気付かれない携帯電話の着信音として若者の間で流行した。東京都足立区では、若者らによる公園施設の破壊行為が深刻で、08年だけで被害総額約300万円に達した。夜間の若者撃退のため、国内で同装置を販売している株式会社メルクから1台レンタルして、09年5月中旬から10年3月の予定で試験的に同区内の一部公園に設置する実験を始める。