はっきりした定義はないが、一般に、降り積もった万年雪が固まるなどしてできた、氷の塊を指す。立山カルデラ砂防博物館が、2009年11月20日に富山県の北アルプス立山連峰の雄山東側の「御前沢カール」と呼ばれる雪渓に、長さが700~800m、幅が最大200m、厚さが最大30mという巨大な氷体を発見したと発表し、「氷河」の可能性があると注目されている。氷河は、陸上への積雪がしだいに厚くなって氷へと変化し、重力によって流動するようになったものを指す。御前沢カールは約20度の傾斜があるため、理論上は1年間に1m近く動く可能性があるという。氷体は、北海道など、日本の他の地域にも存在するが、氷河は、北東アジアでは、ロシアのカムチャツカ半島以北でしか確認されておらず、日本には存在していないとされている。同博物館は、氷体の表面20カ所以上に全地球測位システム(GPS)を設置して1年間測定を行い、実際に移動するかどうかを調査する予定。