雷の放電によって起こる、死傷や建物火災などの事故。一般には自然災害(天災)として認識される。人体への落雷は、発生メカニズムによって、(1)雷雲からの放電がじかに当たる直撃雷、(2)直撃を受けた人や物から再放電された電流が当たる側撃雷、(3)地面や電線などを伝わる誘導電流に感電する誘導雷、に大別できる。このうち死傷事故の大半は側撃雷によるもので、日本では年間平均20人が被害にあい、70%が死亡している。落雷によって引き起こされる人体の傷害を、雷撃傷または雷撃熱傷という。最も多い症例は、電荷が心臓に影響して起こる心肺停止(即死)で、遅延死や心肺蘇生による救命例もほとんどない。生存の場合は、不整脈、意識消失、急性錯乱、記憶喪失、雷撃まひと呼ばれる下肢の機能障害などが見られ、他に体表面の軽い熱傷、聴覚障害、白内障をともなうこともある。内臓の損傷などはまれ。心肺停止がなければ、大部分は速やかに回復し、後遺症も少ないとされている。予防対策としては、気象庁ホームページの「雷から身を守るには」が参考になる。