大阪市で開催された二足歩行ロボットによる世界初のフルマラソンイベント。2011年10月に開催される「第1回大阪マラソン」の応援企画として、大阪府とロボットメーカーのヴイストン株式会社(本社・大阪市西淀川区)が主催。大阪市住之江区のアジア太平洋トレードセンター(ATC)内に設けられたコースで行われ、同年2月24日からスタート。42.195キロをノンストップで走り続け、4日以内での完走を目指す。競技の模様はインターネットの動画サイト「USTREAM(ユーストリーム)」で24時間中継された。今回挑戦した5台は、それぞれ手・足・頭を備え、身長30~40センチ。無線での遠隔操作か、単体での自律歩行によって、1周100メートルのコースを422周し(最終周は95メートル)、バッテリー交換などのメンテナンス時間も走行時間としてカウントされる。ロボットは、ヴイストンから2台、大阪工業大学から2台が参加。また、同イベントは大阪府の緊急雇用創出基金事業の一環として開催されており、この事業によって雇用されたメンバーで製作したロボット1台も参加した。優勝したのは、唯一の自律歩行ロボであるヴイストンの「Robovie-PC」。小型のPCボードとカメラを搭載した市販ロボットキットを長距離用に脚部を強化したもので、26日夕方、54時間57分50秒で完走した。2位の「Robovie-PC Lite」は、「Robovie-PC」を軽量化した無線操縦ロボで、歩行速度は最速。終盤追い上げたもののわずかにおよばず、約1秒の小差で破れた。大阪工業大からの1台が途中リタイアしたが、残る2台は未完走ながら時間いっぱいまで走りきった。