「子どもが親に抱きかかえられるような上質な座り心地感」を目指して、ロボット技術を設計に取り入れたオフィスチェア。岡村製作所(オカムラ)と沖電気工業(OKI)が共同開発したもので、そのコンセプトモデルが、2008年11月4日に発表された。OKIが開発した、ヒトの脚部の骨格や筋肉のメカニズムに基づくロボットシステム「ロボットレッグ」の特長である、複雑な姿勢制御を行わずともバランスを保つことができる柔軟な機能を導入。その大腿部から股関節のメカニズムを応用したロボティクス機構を、座面から背もたれに配した。ただし、実用を考慮して、電気などによる動力は用いず、油圧シリンダーやスプリングによる制御のみで機構を成立させている。大きな背もたれをもつ、120cmほどのひじ掛け付きリクライニングシートだが、腰を下ろす座面が大きく前傾しており、座る人の腰を自然に迎え入れ、体重を受けながらほぼ水平の位置に納まり、同時に、背もたれが連動して上半身を受けとめる。また、立ち上がる際には、反発力でその動作を補助する。このコンセプトモデルは試作品ならではの高品位仕様となり、革張りで、主要フレームにはカーボン素材を用いているうえ、ロボティクス機構も体重55~60kgの枠しか想定していないが、09年5月末の商品化に向けて、これらの課題を改善していくという。