国内外10機関の研究者たちによるベーダ国際ロボット開発センターが開発を進める、一人乗りの電動ビークル。車いすやシニアカーの代わりとしての利用、あるいは健常者も対象にした移動ツールとしての利用を想定したもので、2009年8月26日に、試作機「M1-1」が発表された。従来の車いすに乗る場合、利用者は背もたれに体をあずける「抱っこ」のかたちをとることになるが、Rodemでは、利用者は前傾姿勢をとり、胸とひざとに体重を分散させて体をあずける「おんぶ」のかたちをとることになる。背もたれがなく、体を前のめりにして車体の後ろからスムーズに乗り込めるため、介護の現場で大きな負担や事故のリスクをともなっている、ベッドやトイレなどと車いすとの間を行き来する際の動作過程が半減される。曲線や曲面を主体とする洗練されたフォルムの車体は、全長122cm×全幅69cm×全高117cmのサイズで、電動で座面の高さや姿勢角度の調整もできる。フル充電で約4時間稼働し、速度は時速6kmの「高速」、3.5kmの「中速」、1kmの「低速」の3モードから選択。コントロールにはジョイスティックを用い、前輪の独立駆動によって旋回半径85cmという小回りも可能となる。GPS(全地球測位システム)による位置認識や目的地へのナビゲーションの機能、さらに利用者の健康状態を管理する機能や音声コントロールなどのオプションも考えられており、50万~70万円の価格帯で数年後の実用化を目指すという。