2010年10月30日、愛知県名古屋市で開かれた生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の最終日に、「名古屋議定書」とともに採択された、生態系保全の国際的な努力目標。COP10は、179カ国・地域が出席して10年10月11日から30日まで行われた。愛知ターゲットは、全体目標として、20年までに健全な生態系を確保し、生物多様性の損失を止めるために、緊急かつ効果的な行動を起こすことを掲げている。そのうえで、20年までの個別目標として、(1)開発や貧困削減の計画に、生物多様性の価値観を組み込む、(2)生物の生息地の損失速度を少なくとも半減させる、(3)生物多様性に悪影響を与える補助金などの廃止や改革、(4)過剰栄養などによる汚染を有害でない水準まで抑える、(5)陸域の17%、海洋の10%を保護地域とする(現在は陸が約13%、海が約1%)、(6)この目標実現のための資金を大幅に増やす、など、20項目を掲げている。