電子書籍端末(電子ブックリーダーあるいは電子書籍リーダー)で採用されている電子ペーパーに、文字などを表示する技術の一つ。電子ペーパーは文字などを電子的に表示させ、紙のように折り曲げることも可能な薄い表示装置である。この表示方式は、マイクロカプセル型電気泳動方式といい、電子ペーパーの表面上には、帯電させた白と黒の微粒子が入ったマイクロカプセルがコーティングされており、カプセル内の粒子に電圧をかけ、その強弱によって白・黒・グレースケールを表示させる仕組みとなっている。E inkによる表示法は、紙に印刷した文字と同様に外の光の反射で表示されるので、白黒(陰影)のコントラスト比が紙並みに映える。さらにまたE inkは画面を表示させるときにのみ電圧をかける電力を必要とするものの、一度表示させた画面は電気的なバックアップが不要のため省エネルギーに優れる。代表的な電子書籍端末としては、アマゾンのキンドルやソニーのリーダーなどの端末の表示がE ink方式であり、アップルのiPad(アイパッド)は、LEDによるバックライト方式による液晶カラーディスプレーである。E ink方式は軽量であるが、欠点としてはこれまでのところモノクロ表示は実用段階にあるものの、カラーや動画の充実化は今後に期待されることである。将来の電子書籍の隆盛を左右するのが、書籍コンテンツの内容もさることながら、書籍用デバイスの使い勝手である。軽量であることと、印刷された紙と見た目にも違和感のない視認性と、加えて頻繁に充電を要しないことも、書籍デバイスとしての重要な要素である。また一方では、E inkは薄膜化の長所により、デジタルサイネージ(電子広告)などへの応用も広がりつつある。「E ink(イーインク)」は、アメリカの「イー インク コーポレイション」の登録商標である。