ヒマラヤ山脈に生息しているとされる、半人半獣の未確認動物(UMA ; unidentified mysterious animal)。ヒマラヤの雪男などとも呼ばれ、存在の確認にはいたっていないものの、目撃談があとを絶たない。目撃者たちの証言によれば、身長は人間と同じぐらいか、2メートル前後とされ、全身が白もしくは暗い色の毛に覆われていて、直立歩行するという。その存在の実否はオカルト的な興味の対象にとどまらず、1958年のソ連科学アカデミーによる大規模な探索をはじめ、大小さまざまな隊による探索や定点カメラの設置など、各方面からの調査が個々に継続されている。2011年10月には、目撃情報が相次いでいるロシアのシベリア西南部に位置するケメロボ州の州政府が国際会議を開催し、ロシア、アメリカ、カナダなどから、生物学、人類学、遺伝学などの専門家が参加して、世界各地の雪男に関する情報や意見の交換がなされ、同時に州南部の山地における大規模な探索も実施された。この会議では、「ケメロボ州で雪男が生息している可能性は95%」とする総括を採択しているが、その根拠は多くの目撃情報に依拠するもので、確証につながるものとはいえない。一方、このときの探索で、正体不明の毛髪が洞穴で発見されており、12年10月29日、ロシア国立気象大学のバレンティン・サプノフ教授は、自国とアメリカの三つの機関でDNA鑑定や電子顕微鏡などによる検査を行い、その毛髪が哺乳類のものではあるが、クマやヤギ、オオカミなどの動物のものではなかったとする結果を発表。これが、イエティと呼ばれる未確認動物の体毛である確率は60~70%と主張し、各国のメディアで報じられた。