故人の遺灰をロケットで打ち上げて、宇宙で供養するサービス。アメリカでは、1997年頃から、散骨の形態の一つとして商業サービスが始まっている。なかでもスペース・サービシズ社(テキサス州)の「メモリアル・スペースフライト」には、各種の宇宙葬サービスがある。ロケットで宇宙圏まで達し、無重力状態で一時滞在してから地球に戻る、「地球帰還型」は495ドル。地球周回軌道へ運ばれ10年から240年間回り続ける、「地球周回型」が1295ドル。ロケットで月面まで運ばれる「月面葬」と、ロケットで深宇宙を永遠に飛行し続ける「永久航行型」はともに1万2500ドル(いずれも遺灰1gの料金、1~14gで異なる)。遺灰は、故人へのメッセージが刻まれた専用カプセルに詰められ、ロケットで打ち上げられる。人気テレビ番組「スタートレック」で、カーク船長に「転送してくれ、スコッティ」と、瞬間移動を頼まれる台詞で知られるスコッティ機関長役を演じて、2005年に85歳で亡くなったジェームズ・ドゥーアン氏も、生前の故人の意思に従い、2007年4月28日に、故ゴードン・クーパー宇宙飛行士ら約200人分の遺灰とともに、「地球帰還型」で宇宙に「転送」される。