空気が乾燥して、火災など災害の起こる危険性が高い場合に、市民に注意を喚起する目的で発表される予報。注意報(気象注意報)とは、気象災害の起こるおそれのある場合に気象庁が発表する予報で、乾燥注意報のほか、大雨、大雪、強風、波浪など16種類ある。普段、天気予報などでいう「湿度」とは、正確には「相対湿度」のことを指し、空気中に含まれる水蒸気量と、その温度における飽和水蒸気量の比で表される。相対湿度は1日のなかで変動するが、その日の最小値を「最小湿度」という。一方、木材の乾燥の程度を表す指数を「実効湿度」といい、これは数日前からの湿度を考慮して計算される。乾燥注意報は、最小湿度や実効湿度を目安に発表されるが、その基準は各都道府県の地域で異なる。実効湿度が50~60%以下になると火災の危険性が高まるため、各地とも50~65%の値を基準に発表する。もう一つの最小湿度は地域によって差があり、東京都(伊豆・小笠原諸島を除く)では25%、北海道釧路市では30%、沖縄県では50%が基準となっている。なお、乾燥注意報は1988年まで「異常乾燥注意報」という名称で使われていたが、たびたび発表される予報を「異常」とは呼べないとして、気象庁が乾燥注意報へと是正した。2011年2月3日、首都圏の乾燥注意報が35日連続となり、史上2位(1位は1974年1月21日までの65日)となった。