鉄鋼アーティストの倉田光吾郎と産業技術総合研究所スタッフの吉崎航を中心とする水道橋重工が開発した、全高約4メートル、重量約4.5トンの搭乗型巨大ロボット。コックピットになる胴体と、カメラなどを装備した頭部、2本の腕、タイヤ付きの4本の足からなる。ネットニュースや動画投稿サイトで紹介されると、SFマニアの夢であった搭乗型巨大ロボットの実現が、たちまち話題となった。2012年7月29日には、千葉県の幕張メッセで開催された模型の展示即売会「ワンダーフェスティバル2012〔夏〕」で初のお披露目がなされ、多くのギャラリーを集めた。制御プログラムには、吉崎が開発したロボット操作用ソフトウエア「V-Sido(ブシドー)」が採用され、動力はディーゼルエンジンで、時速10キロで走行でき、油圧駆動する約30の関節をもつ。右腕には物をつかむことができるマニピュレーターが装備されるほか、左腕にはガトリングガンが2丁装備され、エアガンで使用するBB弾を1分間に6000発連射できるほか、ペットボトルロケットを発射するロケットランチャーや花火を使う砲塔なども装備できる。機体の後部には、プロペラによるホバリングで浮遊・飛行する遠隔操縦型補助カメラのクラタスサードアイを搭載しており、搭乗中に機体のチェックを行ったりできる。コックピットは自動車のようなガラス張りではないため、カメラで撮影した外の映像を液晶モニターに表示することになる。操縦桿(かん)の両側にはロボットの腕と同じ形をしたデバイスが設けられ、これを動かすことでロボットの腕を操作するというマスタースレーブ操縦が可能となっている。また、3G(第三世代携帯電話)回線を利用することで、遠隔操縦にも対応する。開発当初から、量産と販売を想定しているので、ホームページ(http://suidobashijuko.jp/)上ではすでに注文受付も始めており、その価格は135万3500ドル(約1億600万円)からとされている。