「アマゾン・キンドル」。世界最大のネット書店のアマゾンが開発・発売したワイヤレス通信機能付きの電子書籍リーダー。デジタル情報で提供される書籍・雑誌、新聞などを閲覧する装置で、電子ブックリーダー、「電子ブック」などともいう。オンラインで購入した書籍情報をフラッシュメモリーなどの記憶媒体に保存し、液晶パネルで表示して閲覧する。サイズは19.1cm×13.5cm×1.8cm、重量292gと、ペーパーバック1冊分に相当。1回の充電で常時使用で約1週間、ネット接続で2日間の継続使用が可能である。これまでも電子書籍リーダーは先行メーカーによって開発・発売されてきたが、いずれも書籍タイトルなどのソフトに欠け、一般に浸透するには時期尚早と見られていた。アマゾンは発売にあたり、8万8000冊のキンドル版書籍を1冊10ドル以下で用意、さらにネット環境下では通信料はアマゾン負担で、1冊分の書籍のダウンロードを約1分で可能とした。これにより2007年に399ドル(のちに359ドルに値下げ)で売り出されたキンドルは、1年間で25万~35万台が購入されたものと推計され、一つのビジネスモデルを提示した。09年1月現在、アマゾンのキンドルストアに掲げられているコンテンツは、書籍約22万冊以上、雑誌21誌、新聞29紙などとなっている。日本での発売は未定。(「Kindle/キンドル」「電子ブック」は登録商標)