主にクマネズミなどのイエネズミ(ビルや家屋にすみつくネズミ)で、駆除薬に抵抗性をもつ個体。とくに、ワルファリン系殺鼠剤という、世界中で最も多用されている駆除薬を体内で解毒できるのが特徴で、近年、アジアをはじめ、ヨーロッパでも頻繁に目撃されるようになった。日本においても、都市部に生息するイエネズミの8割以上は、すでにスーパーラット化している、という研究者の指摘がある。通常、ワルファリン系殺鼠剤は、餌に混ぜて5日以上ネズミに与えると、臓器に致命的な内出血を起こさせる。しかし長年にわたる薬の使いすぎから、抵抗性をもつよう変異した個体が出現し、繁殖を繰り返すうちに自然淘汰されたと考えられている。2011年には、中国の山東省でネズミが媒介するハンタウイルスによる、腎症候性出血熱という感染症での死者が相次ぎ、より強力な駆除薬の開発、使用が行われるようになった。その結果、あらゆる駆除薬に耐性がある、超スーパーラットの出現も確認されているという。