欧州宇宙機関(ESA)による木星系の探査計画。JUICEは「Jupiter icy moons explorer(木星氷衛星探査機)」のつづりから取ったもの。2012年5月2日、ESAは宇宙開発の長期計画「コズミックビジョン2015-2025」における最初の大規模ミッションに、JUICE計画を選定したと発表。本計画が対象とするのは、木星の衛星の中でも最大級のエウロパ、カリスト、ガニメデの3つ。これらの衛星の表面は氷で覆われており、その下には液体の海があると考えられているため、地球外生命の存在する可能性が指摘されている。22年、南米フランス領ギアナのクールー宇宙基地よりアリアンロケット5号で探査機を打ち上げ、8年後の30年に木星系に到達、約3年かけて探査を行う予定。星に接近して重力を利用しながら軌道を変える「フライバイ」をエウロパで2回、カリストで10回行い、その後、約1年間ガニメデの周回観測を実施する。高解像度のカメラによる画像撮影のほか、分光器やレーダーを使って衛星の表面や内部環境、化学組成や磁場環境などを調べる。予算は約10億ユーロ(約1000億円)。