積雪の多い地域で、屋根の雪下ろしが必要ないように工夫された住宅のこと。克雪(こくせつ)住宅の基準は自治体によって異なるが、方式は大きく次の3種類に分けられる。(1)屋根を急勾配にするなど、雪が自然に滑りやすくした「落雪式」、(2)部材の強度を高めて、数メートル程度の積雪荷重にも耐えられる構造にした「耐雪式」、(3)電熱や温水、ヒートパイプなどによって屋根の雪を融(と)かす装置を導入する「融雪式」。これに加えて、基礎部分を高くする「高床式」も落雪式と合わせて導入されることがある。落雪式は、比較的コストが安く済むが、屋根から雪が落ちる場所が必要なこと、1階部分が堆積(たいせき)した雪で埋もれる危険性があること、落雪の音が不快なこと、落ちた雪の処理が必要なことなどの問題点がある。耐雪式は、雪を落とさないので敷地に余裕がなくても導入できるが、鉄筋コンクリートを採用するなど建設費用が増大する傾向がある。融雪式は、屋根に積もった雪を融かすので敷地に余裕がなくても導入できるメリットがあるが、設備の設置費用や維持費、管理費などがかかるなどのデメリットもある。