沖縄県南大東島で代々飼われている地犬。やや小型の日本犬の雑種。立ち耳で、白色に茶色の円形模様があり、足が短くてがに股だが活発に動き、よくほえるという共通の特徴をもつ。約100年前に八丈島から南大東島に移住してきた人々によって、ネズミなどの害獣の駆除のために持ち込まれたとされ、島という隔絶された環境下で世代交代を繰り返すうちに、現在のような体形に固定化されたと考えられる。島の名物犬として親しまれてきたが、放し飼いが減って自由に交配できなくなったことや、メディアで話題になって子犬が島外にもらわれるようになったこと、ペットブームによって島で飼われる犬種が多様化したことなどによって、その頭数は減少している。2010年、大東犬の血統を保存するために「だいとうけん保存会」が結成され、繁殖活動が行われている。