神舟は、中国の有人宇宙飛行プロジェクトの名称であるとともに、これに使われる宇宙船のシリーズ名でもある。宇宙船「神舟」の打ち上げは、旧ソ連(ロシア)のソユーズの技術をもとに、中国が独自開発した長征ロケットとの組み合わせによって行われている。中国は、4回にわたる無人テストの打ち上げに成功し、2003年10月に満を持して神舟5号を打ち上げて、旧ソ連、アメリカに続き、世界で3番目の有人飛行の成功国となっている。神舟7号は、船外活動を行う目的で08年9月25日に打ち上げられ、宇宙遊泳に初めて成功。これにより、中国は名実ともに宇宙大国の仲間入りを果たした。今後、11年前後に小型の実験室を宇宙に打ち上げて宇宙船とドッキングを行い、さらには独自の宇宙ステーションの建設を、20年前後に目標としているといわれる。中国の宇宙開発プロジェクトには、月面探査を目指す嫦娥(じょうが)計画もあり、長征3Aロケットで月探査機嫦娥1号を07年10月に打ち上げている。なお中国では、国家機関の中国国家航天局(CNSA)が宇宙開発を担当し、酒泉宇宙センター、西昌宇宙センター、太原宇宙センター、海南宇宙センターの4カ所の打ち上げ場を有し、宇宙船神舟の打ち上げは、ゴビ砂漠南端に位置する酒泉衛星発射センターで行われている。