炭素、酸素、窒素、水素など、元素の質量比の違いを指標とした分析法。もともとは生態系の研究や地球科学分野での年代測定、資源探査などに利用されていたが、近年頻発している食品の産地偽装を見破り、産地を判別する分析技術としても利用されている。横浜市の民間会社、日本同位体分析研究所では、この手法によりタケノコの産地を特定。9割以上の精度で中国産か国産かを判別できると2009年5月に発表した。同社は食品の産地や原産国判別検査を提供する国内初の検査機関として08年に設立された。09年5月に農林水産省より登録認定機関認可を受け、JAS認定の提供を開始している。タケノコのほかウナギや牛肉、ハチミツについても産地・原産国の判別に成功しており、またジュースの果汁に含まれる添加物量なども判別できるという。同位体とは原子番号が等しく質量数の異なる核種、つまり原子核の陽子数が同じで、中性子数が異なる原子のこと。そのうち放射能を持たないものを安定同位体という。