NASA(アメリカ航空宇宙局)の観測チームが宇宙望遠鏡ケプラーを使って発見した地球型惑星(planet of earth-type ; terrestrial planet)で、2011年12月5日に発表された。地球から約600光年(1光年は約9兆5000万キロ)離れており、半径は地球の2.4倍、太陽に相当する恒星の周囲を290日の周期で公転している。恒星との距離は、地球と太陽の距離よりも約15%近いが、この恒星は太陽よりも小さく暗いため、水が蒸発してしまうことなく、生命が存在できる条件に見合うハビタブル・ゾーン(habitable zone)、つまり生命居住可能領域に当てはまる。大気がもたらす温室効果を想定すれば、惑星表面の温度は、平均で摂氏22度前後と考えられるという。別のチームが発見したグリーゼ581c(Gliese 581c)なども含め、ハビタブル・ゾーンを周回する惑星は複数発見されており、同チームも同年2月にはケプラー22b を含む54の惑星の発見を発表している。しかし、それらはゾーンの中でも端の方を周回していて、地球というよりは金星や火星に相当するものであったり、あるいは巨大で重力が大きく、生命が存在する可能性が低いものであったりした。対して、ケプラー22bはゾーンの中心域を周回しているうえ、大きさも適度であるため、もし水が存在するなら、地球に近い環境であることが期待できる。しかし、現状では、質量の情報がなく、惑星を構成する物質について判明していないため、12年春から運用が始まるスペインのカナリア諸島のHARPS-N(High Accuracy Radial Velocity Planet Searcher-North 高精度視線速度系外惑星探査装置)の協力によって質量の計測を行っていく予定。