生態学的に知られた生き物を指標として、環境の質などを類推、評価することを生物指標(biological indicator)といい、指標となる生物を指標種もしくは指標生物という。全国の小中学校や市民団体に呼びかけて、環境省と国土交通省は1984年から生物指標による全国の河川の水質調査を行っている。川にすむ生き物の種類を「水質階級1~4」の4段階に分類。サワガニ、ヒラタカゲロウ、ヤマトビケラなどの9種の指標生物がすむ水質を「水質階級1」として「きれいな水」に分類。以下、ゲンジボタル、イシマキガイ、オオシマトビケラ、カワニナなど9種がすむ水を「2」として「少しきたない水」に、ミズカマキリ、タニシ、ヒル、ミズムシ、イソコツブムシなど7種がすむ水を「3]として「きたない水」に、さらにアメリカザリガニ、セスジユスリカ、チョウバエ、サカマキガイ、エラミミズなど5種がすむ水を「4」として「大変きたない水」と判定する方法で、その地点の河川の水質を知ることができる。2010年5月末に発表された生物指標による09年度の河川3059地点の調査結果によれば、「きれいな水」は1716地点で全体の56%、「少しきたない水」は28%、「きたない水」は11%、また「大変きたない水」は3%で、判定不能は2%であった。