2011年の国際年のひとつで、1911年にキュリー夫人がラジウムとポロニウムを発見した功績によりノーベル化学賞を受賞してから100年目にあたるのを記念して、国際連合総会が定めた。「Chemistry-our life, our future」をテーマに掲げ、(1)化学に対する社会の理解増進、(2)若い世代の化学への興味の喚起、(3)創造的未来への化学者の熱意ある貢献への支援、(4)女性の化学における活躍の場の支援を目的に、世界90カ国以上で化学の啓発・普及活動に取り組む。日本では、10年8月に国内委員会が設立され、01年にノーベル化学賞を受賞した理化学研究所理事長の野依良治が委員長に就任した。日本委員会では、小中学生を対象にしたキュリー夫人に関する伝記の読書感想文コンクールや、化学を社会に啓発する活動をたたえる「化学コミュニケーション賞」の創設など、産官学連携のもと様々な事業を展開していく。11年3月には神奈川大学で野依委員長らによる記念シンポジウムが、10月には国立科学博物館で「日本の化学者展」が開催されるほか、各地で市民講座や実験教室などの関連イベントが行われる予定。