2010年2月27日午前3時半(日本時間同日午後3時半)に、南米のチリ中部で発生したマグニチュード(M)8.8の大地震。震源は、中部ビオビオ州の州都コンセプシオンの北北東約115kmの沖合。アメリカ地質調査所(USGS)のデータによれば、地震のエネルギーは1900年以降に発生した地震では5番目に強かった。この地震で、チリでは全人口の1割弱にあたる約150万人が被災し、3月3日現在、チリ政府によれば死者数は800人超を数える。津波も発生し、沿岸都市タルカワノでは約2.3mを記録した。気象庁が、この地震で日本にも最大3mの津波が到達するおそれがあるとして、28日、岩手、宮城、青森の3県の太平洋沿岸部に大津波警報を発令。約34万人に避難指示・勧告が出された。しかし実際に観測された津波は最大1.2mと予想を大きく下回り、気象庁が、記者会見で、予想が過大で警報が長引き迷惑をかけた、と謝罪した。世界最大のM9.5を記録した1960年5月のチリ地震では、日本にも高さ最大5~6mの津波が到達、三陸沿岸などで142人の死者・行方不明者が出ている。