スーパーコンピューターの性能ランキングで、2010年11月に世界一を記録した中国のスパコンシステム。スパコン性能ランキングは、アメリカのTOP500(TOP500 Organization)が、毎年6月と11月に発表しているリストであるが、近年、科学技術の台頭が著しい中国のスパコンが上位をうかがう勢いをみせていた。直近の09年11月と10年6月の世界最高ランキングは、アメリカのオークリッジ国立研究所の「Jaguar」(Cray XT5)であったが、この時点で中国のスパコンは5位と7位で、アジアでトップの位置を占めており、世界のトップレベルのスパコンは、ペタフロップス級に達している。10年10月、天河1Aは1秒間の演算速度が2507兆回、すなわち2.507PFLOPS(1ペタFLOPSとは1秒間に1000兆回の浮動小数点演算を処理する能力)のベンチマークをクリアし、このデータが11月のTOP500に提出され、世界最速のランキングを手中にした。かつて日本の地球シミュレータは、03年に1位を占めたが、現在は東京工業大学のTUBAME2.4の4位が最高である。なお「天河」は「天の川」の意味で、天河1Aは、中国の国防科学技術大学によって開発され、アメリカのインテル社製のプロセッサーとNVIDIA社製のGPU(画像処理半導体)が搭載されており、天津の国立スーパーコンピューターセンターで稼働しているという。