理化学研究所仁科加速器研究センターとJFC石井農場(山形市)が共同開発した桜の新種。2007年10月31日発表。「御衣黄(ぎょいこう)」という桜の種類に、重イオンビームを照射して作出。緑の花が特徴の元品種に対し、淡い黄色が時期により変化するのが特徴。また、大きさも4~5cm弱と大輪化し、花びらの数は10~12枚から7~8枚に減って、八重から半八重へと変化した。重イオンビーム照射は、同センター生物照射チームが、ダリア、ペチュニアなどで実用化に成功した手法で、遺伝子の変異率が高いうえに変異の固定にかかる期間が短く、X線やガンマ線、化学変異剤などを用いる従来の手法では10年ほどかかるところを、わずか4年で種の固定に成功した。野依良治理研理事長が、「加速器の父」とされる仁科芳雄元所長と、育種地山形のシンボル蔵王の名をとって「仁科蔵王」と命名。新品種として理研初の品種登録出願を行い、10月16日に受理された。花苗は、08年9月に発売予定。